サンパウロ編 Scene 2-2

そっと川に足をつける。
つ・・・冷たい!!でも我慢我慢。
そっとワンドに近づき、やっっ!!と投網を放った。
投網は、ワンドを囲むように広がり、沈んでいった。
「うまいじゃないですか」
善さんが手を組んでみていた。私はにやりとして、そっと投網をたぐり寄せる。
魚の暴れる感触が、網を伝ってくる。近くまで来た網を一気に引き抜く!!
やった〜〜〜!!!魚が大漁!!
その中には、夢にまで見た魚の陰が!!
体を硬直させ、必死になって胸鰭と背鰭をたてている小さな魚の陰が・・・
おめめが、くりくりしていて髭のある奴、この南米の太陽を体に浴びて、青く光り、ジャンクションに、ひときわ濃いブルーのラインをまとった奴・・・C.ナッテリー。
手のひらに乗せてみる。顔を近づけて見る。そして、そっと持ってきた発泡スチロール箱に泳がせてみた。
彼はとたんに、発泡スチロール箱の隅に目にも留まらぬ早さで泳いでいき、自分の身に何が起こったかわからぬままその小さな心臓をならしているようだった。
 さあ、いるとなれば、採集だ!!善さんと2人で、投網の投げ較べ!!
でもうまいのはやはり善さんだった。
 何度か投げていると、上着が濡れてきてしまった。知っている人は知っているが、私の投網の投げ方は、肩に担いで投げるやり方なので、濡れてしまうのは仕方がない。このままでは、風邪を引きそうだったので、裸になって投網を投げていた。
 私は馬鹿だった・・・何も知らないとはこんなにも怖いことなのかと身をもって知った。最初は良かったのだが、やっているうちに背中がかゆくなってきた。手の平もかゆいな・・・なんてふと見てみると・・・
米粒を半分にしたくらいの大きさの黒い蠅みたいな物が、お尻を突きだし、身動きもせずしきりに私の手の平の血を吸っている!!
「いてっっ!!!」と小さく叫び、ぱしっとその虫をたたいた。
刺された部分がぷくっと膨らんでしまった。しかも、も〜れつに痒い!!
あ〜あやられちゃった・・・なんて思って掻いていた。
ちょうどよく見てみると、膨らんだその先が、小さな血豆のように血がたまっていたので、その血を抜こうとつぶしてみた。すると、血が止まらずに、すーっと一筋になって手の平から落ちた。
このくらい大丈夫だろうと何度か投網を打っていたのだが、どうも何か気になって、先ほどの手を見てびっくり!!!
流れ出た血の周りに、先ほどの虫が20匹くらい群がっているではないか!!!
うわ〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!
悲鳴とともに、私は、その虫をたたいた。彼らは、いとも簡単に死んでしまった。手の平には、その虫の死体が、20個も乗っている!!
すかさず川に手を入れて洗い流した。ふと、腕に目をやると・・・わ、肩にも!?わわわ!??
お、お腹にも!!わわわわわ・・・か・・・痒〜〜〜〜〜い!!!!!
訳の分からぬ奇声を発しながら、川へざぶ〜〜ん!!
半べそを掻きながら善さんを見ると・・・
善さんも泣いていた・・・しかし善さんの涙は、笑いが止まらないときの涙だった・・・
 その夜、体中腫れ回った私を見て、一同大笑い!!
薬を塗ってくれたのは、一番上の子、ブランカ。その手がちょっとだけ私をハッピーな気分にしてくれた。
 教訓!!採集は長袖長ズボン!!そして、アウタン(ブラジルの虫よけの薬)は必需品!!
さあ!!次回は、サンパウロの美種、バルバートゥス攻めだ!!!

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Written by Tuttii
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